トイレや浴室で、いつの間にか発生している便所虫。窓を閉め切っているのに、一体どこから侵入してくるのでしょうか。その発生源と侵入経路を知ることは、彼らを根絶やしにするための、最も重要な手がかりとなります。便所虫の発生源、それは、一言で言えば「汚泥」や「ヘドロ(スカム)」です。彼らの幼虫は、水そのものではなく、水回りに溜まった、有機物が豊富な、ヌルヌルとした汚れの中でしか生きることができません。このヘドロを餌として、ウジムシのような姿で成長し、やがて蛹になり、成虫となって飛び出してくるのです。家庭内で、このような環境が形成されやすい場所は、主に以下の三箇所です。第一に、「トイレの排水管」です。たとえ水洗トイレであっても、便器の内部や、その先の排水管には、尿石や排泄物のカスが少しずつ蓄積し、ヘドロ状の汚れとなります。特に、長期間使われていないトイレや、掃除が行き届いていない便器のフチの裏側などは、格好の発生源となります。第二に、「浴室や洗面所の排水口」です。ここには、髪の毛や、石鹸カス、皮脂汚れが溜まりやすく、それらが分解される過程で、非常に栄養価の高いヘドロが形成されます。排水トラップの内部や、その先の配管は、便所虫にとって、まさに天国のような環境です。そして第三に、屋外と繋がっている「浄化槽」や「汚水枡」です。これらの場所で大発生した便所虫が、排水管を逆流して、家の中のトイレや浴室へと侵入してくるケースも非常に多く報告されています。つまり、便所虫は、どこか遠くから飛んでくるのではなく、あなたの家の、最も不潔で、目に見えない場所で、自家生産されているのです。その事実を直視することこそが、駆除への第一歩となります。