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乾麺やパスタに湧く虫の恐怖
キッチンに常備している、パスタやそうめん、そばといった乾麺。長期間保存できる便利な食材ですが、その保管方法を誤ると、ゴマみたいな虫、シバンムシや、ノシメマダラメイガといった、食品害虫の格好の餌食となってしまいます。ある日、パスタを茹でようと袋を開けたら、中から小さな虫が湧き出てきた。そんな恐怖の事態を避けるための、正しい知識と対策を身につけましょう。なぜ、乾麺は虫に狙われやすいのでしょうか。その理由は、乾麺の主原料である「小麦粉」や「そば粉」が、これらの害虫にとって、非常に栄養価の高い餌となるからです。彼らは、驚くほど小さな隙間からでも侵入し、その強力な顎で、紙袋やビニール袋をいとも簡単に食い破って、中へと侵入します。そして、中で産卵し、孵化した幼虫が、私たちの食べるはずだった乾麺を、ムシャムシャと食べて成長していくのです。被害のサインは、袋の中に、小麦粉のような「粉状のクズ」が溜まっていることです。これは、幼虫が麺を食べた際の食べかすや、フンです。また、ノシメマダラメイガの場合は、糸を引いて、麺が塊になっていることもあります。このような状態になってしまった乾麺は、もはや食べることはできません。不快なだけでなく、アレルギーの原因となる可能性もあるため、残念ですが、袋ごと密閉して、すぐに処分してください。この悲劇を防ぐための対策は、ただ一つ。「購入時の袋のまま、常温で保管しない」ことです。乾麺を購入してきたら、すぐに、元の袋から取り出し、「密閉性の高い容器」に移し替える習慣をつけましょう。ガラス製のキャニスターや、パスタ専用のプラスチックケース、あるいは、ジップロックのような密閉袋でも構いません。そして、その容器を、湿気の少ない、冷暗所で保管します。さらに万全を期すなら、容器の中に、唐辛子や、乾燥したローリエの葉を一緒に入れておくと、天然の防虫剤として、虫を寄せ付けにくくする効果が期待できます。ほんの少しの手間が、あなたの大切な食料を、目に見えない侵略者から守ってくれるのです。